2015年5月27日水曜日

はじまりは1歳半健診

「発達障害」という言葉を初めて耳にしたのは、1歳半健診でした。


1歳半健診では、健康面・運動面のチェックが中心だった乳児健診と違って、言葉おぼえや理解力、情緒面のチェックが入るようになります。

とはいえ、長女は私が見ていておかしいと思うようなところは何もなく、活発で、よく動き、よく泣いて、エネルギッシュだからこっちは疲れるけど、頭の良さそうな子だなーと思っていました。

言葉をよく知っていたし、遊んでいても生活していても、何でも自分でやりたがり、実際できるかしこさを持ち合わせていました。

ベランダをコロコロで掃除してくださる長女様。永遠に終わらないし。


そんな娘だったので、保健師さんから深刻そうに指摘された時は、「障害?なんぞ?」と思ったものです。


流れとしてはこうです。
ひととおり面接や問診が終わり、「今日もウチの子はおもしろかったー」と帰ろうとしたところ、スタッフの方から「お母さん、ちょっと。。」と別室に案内されました。そして、娘の発達に問題があることを告げられたのです。

状況としては、国際空港の税関で別室に連行されるあの感じでしょうか。

今後も慎重に見守ることを念押しされ、定期健診以外にも子育てセンターに来ること、できれば専門機関に通うことをすすめられました。



指摘されたのは、だいたい以下のようなものでした。

・ 言葉の遅れ
・ 落ち着きのなさ
・ こだわりの強さ


言葉の遅れ?だってたくさん単語知ってるよ?わんわん・ぶーぶーレベルじゃないよ?
落ち着きのなさ?だって子供でしょ?子供って落ち着きのない生き物でしょ?
こだわり?いいじゃん!こだわりのない人生なんて楽しくないよ!

その時の私の感想です(口にはしていないけど)。
おそらく、発達検査で引っかかった多くの保護者の方が感じる疑問ではないかと思います。


当時の私にも分かりませんでしたが、その後いろいろ勉強したこともあって、今ならこれらが単なる言葉の遅れ、落ち着きのなさ、こだわりという問題ではないということが分かります(そのへんは次回以降書きます)。


しかし、そんな前知識のないひとが、知的にも身体的にも問題ない我が子に向かって「社会性に問題があるかも知れません」と言われても、いまいちピンとこないのは当然ではないでしょうか。もしくは、「障害」という言葉におどろいて必要以上に悲観してしまったり。


面談してくださった保健師さんは、ものすごく言葉を選んで話しているようでした。
なんどもなんども「あくまでも発達障害の”疑い”です。診断ではありません。まだグレーな段階です。あまり気にしないでください」と言っていました。たぶん”疑い”って50回は言ったと思う。

すごくデリケートな問題だし、母親が混乱しないようにとても気を使ってくれていました。だからって気にしないとか無理なんだけど。


思えば、この1歳半での「別室に連行」がなければ、娘のことを理解し、しっかりとした療育を受けさせることはできなかったと思います。


ほとんどの親は、自分の子の特異性に気づいて自分から専門機関に通わせる、なんて芸当はできません。半ば強制の乳幼児健診だからできたことです。

すべての子供を対象とした日本特有の乳幼児健診は、世界にもあまり例がないといいます。
はじめて、税金払ってて良かった、と思いました。





0 件のコメント:

コメントを投稿