2015年8月20日木曜日

コミュニケーションの”質”のはなし

親なら誰でも、子供の言葉の発達が気になるものですよね。


うちの子、全然しゃべらないけど大丈夫かしら~とか、
「ブーブー」「わんわん」は分かるみたいだけど「ママ」はまだなのよ~とか、
2語文や3語文っていつまでに言えればいいのかしら~とか。


しかし、よくしゃべって、単語もたくさん知っていて、文章もきちんと組み立てられていても、言葉に問題がある場合があります。

多くの人が気になるの言葉覚えや上手なおしゃべりなどは”量”のはなしです。じつは”質”に問題があるとコミュニケーションがうまくいかない場合があります。

それが、発達障害でよく話題に上がる「コミュニケーションの質的障害」です。



娘は早くから文字や言葉に強い興味を持ち始め、単語もものすごいスピードで覚えていきました。

それなのにいつまでたっても会話はちぐはぐなままで、うまく意思疎通できない状態が続きました。

なぜ、そんなことが起こったのか。

それは、あまりにも一方的な言葉の使い方にありました。



たとえば臨床心理士さんにイラストがたくさん描いてある紙を見せられて、
「車はどれ?」と聞かれたら、違うところを指さして

「これはハサミです。ちょきちょきするのに使います。これは電話です。でもうちにあるのはこういう形ではありません。これは自転車です。○○ちゃんはよく自転車に乗せてもらっていいなー・・・」

と、上から順番に知っていることを全部話してくれます。
言っていることも正確だし、言葉づかいも大したものですが、残念ながらそこには絶望的に「相手」がいません。

質問には一切答えず、相手のあいづちも無視してどんどん自分の話ばかりをします。




会話がキャッチボールだとすると、娘の場合は壁打ち、いや1000本ノックみたいな感じです。打っている本人はノリノリですが、受けようとする方はもうタイヘンです。





その人が話している中身がどんなにすばらしい内容でも、相手の言葉を聞き、それを受けて返す、というやり取りがない限り、コミュニケーションとは言えません。


発達検査の時に「言葉の発達に問題がある」と言われた時は、「どこがやねん!」と思いましたが、私も”量”ばかりに注目して”質”に目がいってなかったのでした。


知的障害のない発達障害の子の中にはとても賢く活発な子がいて、とても言葉やコミュニケーションに障害があるようには見えないのですが、それがのちのち社会生活をする上で大きく響いてくることがあります。


私も療育を進めていくうえで、コミュニケーションには特に気をつけて取り組んでいました(それも今後ぼちぼち書いていきます)。
それのおかげかどうかは分かりませんが、小学生になった今は普通の会話や学校生活にまったく支障はありません。


コミュニケーションの質的障害は、子供時代には「小さい子ってそんなもんでしょ?」と片づけられ、大人になると「本人のワガママ」とされます。それだけに、先天的な障害として、早期発見と療育が大切と言われている理由が分かった気がします。


ここまでをふまえたうえで、


発達障害でもないのに人の話を聞かずに自分のことばっかりしゃべっている大人なんかいっぱいおるよな。


とつい考えずにはいられなかった私です。


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